ANREALAGEが2021-22 AUTUMN/WINTER COLLECTIONをパリファッションウィーク公式オンラインプラットフォームで発表した。コレクションタイトルは“GROUND”
コロナ禍がもたらしたデジタルのファッションショーは、画面の中で行われ、そこに天と地はなく、重力と質量までもが消えた。今季の「GROUND」はデジタルの中で、重力と質量を取り戻すコレクション。天地逆転がそれを可能にする。
ランウェイを歩くモデルの足は天に支えられる。重力が反転し、服のドレープや模様は地から天へ引き寄せられる。重さが軽さになり、軽さが重さになる。
等間隔に並ぶ水玉柄、市松柄、千鳥柄、花柄、星柄がすべて重力に逆らって地から天に向かう。裾は柄がなくなり無地にかわり、柄はすべて肩に寄る。
洋服のディテールも本来あるべき場所から解放され、天に引き寄せられる。腰ポケットや腰ベルトは肩に寄り、ボタンやスタッズなどの細部も、自由な場所に浮遊する。ポケットのフラップは上にめくれ、靴紐やリボンや襟が逆立つ。
本来下にある裾は肩の上までめくれ上がり、普段見えない服の裏地があらわになる。めくれ上がった服の表と裏の隔たりがなくなる。やがて服の上と下の隔たりもなくなり、襟と裾が共存する。
デザイナー森永邦彦は、人間が立つ地を日常、天を非日常と捉え、その天地を逆転させることで起きる現象によって、日常と非日常が混ざり合う服を作り上げた。
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