kudos 2022AW Collection


kudos2022年秋冬コレクション「LOST AND FOUND」は、過去や現在の時間軸にとらわれずに、失われたものを手探りし、ランダムに見出し、新しい価値観を投影できるものを選択し、クリアにしていく一連の作業よって生み出されました。

モデルには伝説的なプロボクサー、元WBA・WBCスーパーウエルター級王者輪島功一の孫で、祖父と同じ道に進んだ若い才能に溢れた磯谷大心をを起用し、デザイナー工藤司が自らスタイリングと撮影を手掛けました。


既存の価値観を転換するように、アプローチを発見することができるというアイデアは、最初期̶̶ あるいはそれ以前の、Tsukasa Kudoの発想法の根幹のひとつです。コレクションにならって時間を遡ってみます。2017年にスタートし、賞賛の意味を持つkudosは、デザイナーが過ごしていたパリとロンドンで、信頼する友人たちの力を得て個人制作した「tomorrow's kids」と名付けられたコレクションから始まりました。

伝統的なテーラードやメンズウェアの型(記号)やメタファーの、軽やかかつ誇張的なディフォームは、次代のコードを模索しつづけたヨーロッパでの日々とも関連しています。

切り込み、切り傷にも思える服地のカットアウト、ボタンやパッチによるアタッチャブルなアッサンブラージュ、テーラリングの拡張、センシュアルな眼差しの介在は、今回のコレ クションにも一貫して発見することができます。 彼は、確信を持っていたものが音を成して崩れて、明日には我が物顔で別の価値観が台頭する異様なサイクルの中で思いがけずに失くしたものに立ち帰ることにしたのです。

kudosという名になる以前のデザインノートを振り返り、ランダムにピックアップすることを何度も繰り返し、乱雑にも思える無数のスケッチから多くのものを見出しました。


他方で、未だに変節し不安定な日々の中において、過信や偏狭から距離をおいた継続的な思考は、現在の社会だけでなく、親密な他者や自分自身を反芻するうえで欠かせません。キラキラと目を惹くネイルやチョーカー、Kota Okudaとの共作であるウネウネしたデジタルフレームのようなヘッドピースなどは、明らかに快活なマインドをもつユースと共振しています。今回のコレクションは、こうしたさまざまな エッセンスが共生することで立ち上がっています。